工作方法2
つや出しとは、各種の工作機械における工作方法用語で、表面仕上げ加工の一種です。つや出しは、一般的には研磨布紙を使って工作物の加工面を磨くことによりツヤを出し、仕上げる加工方法のことです。
といし切断とは、各種の工作機械における工作方法用語で、研削(といし車を回転させて工作物を削ること)によって工作物を切断する加工のことです。といし切断では、薄い砥石車を用いて研削することにより、工作物を切断します。工作機械のうち、といし切断を行うための工作機械のことを、といし切断機といいます。
と粒流動加工とは、各種の工作機械における工作方法用語で、表面仕上げ加工の一種であり、研磨材を加工する場所にに機械的に押し込んで圧接移動させて面を加工する表面の加工方法のことです。と粒流動加工は、”とりゅうりゅうどうかこう”と読みます。
ねじ研削とは、各種の工作機械における工作方法用語で、研削(といし車を回転させて工作物を削ること)の一種であり、各種のネジの表面を研削する加工・工作方法のことです。工作機械のうち、ねじ研削を行うための工作機械のことを総称して、ねじ研削盤といいます。例えば、ウォーム研削盤(ウォームねじを研削する研削盤)などもねじ研削盤の一種です。
ネジ研削盤では、一般的に一山或いは数山のネジ山をもったといし車でネジを研削します。
のこ引きとは、各種の工作機械における工作方法用語で、主に工作物の切断加工に使用される工作機械である各種の切断機(弓のこ盤、帯のこ盤、丸のこ盤など)において、各種ののこで工作物を切断する加工のことです。
ウォータージェット加工(ウォータジェット加工)とは、工作機械における加工方法・工作方法用語において、ジェット噴流を利用して工作物を切断、除去、洗浄などの加工を行う工作方法のことです。ウォータージェット加工(ウォータジェット加工)の具体的な方法・原理としては、ノズルから水を高圧で噴射させることによって、金属その他の材料の切断加工などの加工を行います。高圧でジェット噴射させる水の中に、研磨材を混入して加工を行う加工機もあり、これをアブレシブジェット加工機といいます。
ウォータージェット切断加工の特徴としては、ガス切断、レーザー切断、プラズマ切断などの熱切断ではないので、切断する工作物に熱影響を及ぼさないほか、切断時に粉塵の発生がないことや、切断する材料が金属・非金属はもちろんのこと、プラスチック樹脂、ガラス、セラミックス、木材、ゴムなどあらゆる材質を切断することができるなどの特徴があります。
ウォータージェット加工(ウォータジェット加工)を行うための工作機械・加工機を、ウォータージェット加工機(ウォータジェット加工機)といいます。
キャンバリングとは、各種の工作機械における工作方法用語で、主に研削(といし車を回転させて工作物を削ること)により、工作物の面に高低のそり(キャンバー)を与えることです。
キー溝削りとは、各種の工作機械における工作方法用語で、切削工具を用いて工作物を削り加工する場合において、キー溝を切削する加工のことです。軸のキー溝をフライスで切削することを特に、キー溝フライス削りといいます。主として軸のキー溝を切削するフライス盤に、キー溝フライス盤もあります。
クリープフィード研削とは、各種の工作機械における工作方法用語で、研削(といし車を回転させて工作物を削ること)の方法の一つであり、主に工作物の輪郭の研削として用いられる場合が多い研削方法です。クリープフィード研削は、『creep feed』の言葉どおり、低速で工作物に送りを与えて一度の切込みで仕上げ研削する方法です。
セルフグライディングとは、各種の工作機械における工作方法用語で、研削(といし車を回転させて工作物を削ること)の方法の一つであり、工作物そのものに回転や直線運動の支持系があり、その支持系を基準にして運動させながら研削する研削方法のことです。
センタ穴研削とは、各種の工作機械における工作方法用語で、研削(といし車を回転させて工作物を削ること)の一種であり、主に工作物の軸端にあけられたセンタ穴のテーパ部を研削する研削作業のことです。工作機械のうち、センタ穴研削を行うための工作機械のことを、センタ穴研削盤といいます。
トラバース研削とは、各種の工作機械における工作方法用語で、研削(といし車を回転させて工作物を削ること)の方法の一つであり、主に、軸方向の送りをといし車に与えることにより工作物を研削する研削方法のことです。
バニシ仕上げとは、各種の工作機械における工作方法用語で、表面仕上げ加工の一種であり、硬度の高い工具を工作物に押し付けながら滑らせることにより、工作物の加工面の仕上げを行う加工方法のことです。工作機械のうち、工作物に高い圧力で工具を押し付けながら滑らせ、塑性変形を利用して表面を仕上げる工作機械のことを特に、バニッシ盤(JIS規格では、表面仕上機械に分類される工作機械)といいます。
バフ仕上げとは、各種の工作機械における工作方法用語で、表面仕上げ加工の一種であり、バフの表面にバフ研磨材(細かいと粒)を付けて、バフを取り付けて回転させるバフ軸に工作物の加工面を押し付けることにより面の仕上げを行う表面仕上げの方法のことです。工作機械のうち、細かいと粒とバフ車を使用して、表面のつや出し仕上げ加工を行う工作機械のことを、バフ盤(JIS規格では、表面仕上機械に分類される工作機械)といいます。
バレル仕上げとは、各種の工作機械における工作方法用語で、表面仕上げ加工の一種であり、バレルの中に工作物と研磨剤を入れて、バレルに回転や振動などを与えることにより、工作物の表面を仕上げる方法のことです。工作機械のうち、バレル仕上げを行うための工作機械を特に、バレル研磨機といいます。
ブローチ削りとは、各種の工作機械における工作方法用語で、切削工具を用いて工作物を削り加工する場合において、刃物工具としてブローチを用いて切削する加工のことです。工作機械のうち、主として工作物の表面又は穴の内面に、いろいろな形状の加工をブローチを用いてブローチ削りを行う工作機械を総称して、ブローチ盤と言います。
プランジ研削とは、各種の工作機械における工作方法用語で、研削(といし車を回転させて工作物を削ること)の方法の一つであり、主に、半径方向にといし車を送ることによって工作物を研削する研削方法です。
ベルト研削とは、各種の工作機械における工作方法用語で、研削(といし車を回転させて工作物を削ること)の一種であり、工作物の研削に、エンドレスの研磨ベルトを使用する研削方法のことです。工作機械のうち、ベルト研削を行うための工作機械のことを、ベルト研削盤といいます。
ホブ切りとは、各種の工作機械における工作方法用語で、工作物に切削を行う切削工具(歯切工具)として、ホブを用いて行う歯切り(切削工具で歯車の歯形を削り出す加工方法・工作方法)のことです。
ホブとは、外周にギザギザの歯をもった回転体形状の歯切りを行うための工具です。
ホーニング仕上げとは、各種の工作機械における工作方法用語で、表面仕上げ加工の一種であり、ホーンを用いて加工面を仕上ることです。工作機械のうち、主として工作物の円筒内面を、ホーニングヘッドを使用してホーニング仕上げを行う工作機械のことを、ホーニング盤(JIS規格では、表面仕上機械に分類される工作機械)といいます。
ラップ仕上げとは、各種の工作機械における工作方法用語で、ラップ剤(と粒及び加工液を混合したもの)を、ラップといわれる工具と工作物との間に入れ、両者に圧力を加えながら滑り動かすことにより、工作物の加工面を滑らかに仕上ることです。工作機械のうち、主にラップ仕上げを行うための工作機械のことを、ラップ盤(JIS規格では、表面仕上機械に分類される工作機械)といいます。
レーザ加工(レーザー加工)とは、工作機械における加工方法・工作方法用語において、レーザーを利用して工作物を加熱、溶融又は除去して加工する工作方法のことです。レーザ加工(レーザー加工)の具体的な方法・原理としては、レンズを使用して工作物表面に一点集中させたレーザー光線が、熱エネルギーに変換されて得られる高密度のエネルギーを利用して工作物を加熱、溶融、蒸発、除去を行う加工方法です。
レーザ加工(レーザー加工)の主な種類・用途としては、工作物の穴あけなどを含むレーザーカット(レーザー切断)や、レーザー溶接(レーザー接合)、工作物表面に文字やデザインなどレーザーによって彫刻(マーキング)を行うレーザーマーキングなどがあげられます。
また、焼入れ、レーザ蒸着、アニーリング、変態硬化など、工作物の改質を目的とするレーザー加工や、シーム溶接やスポット溶接などの精密溶接として用いられるレーザー加工もあります。
なお、レーザーを利用したレーザー切断加工(レーザーカット)は、切断方法としては、ガス切断やプラズマ切断などと同じ熱切断になります。
一般に知られている加工用のレーザーとしては、CO2レーザー(炭酸ガスレーザー)、YAGレーザー、エキシマレーザーなどがあります。
レーザ加工(レーザー加工)を行うための工作機械・加工機を、レーザ加工機(レーザー加工機)といいます。
ワイヤ放電加工とは、各種の工作機械における工作方法用語で、加工液中に浸漬して工作物と工具電極として用いる細い線状のワイヤ電極間に放電現象を発生させることにより、金属材料工作物を溶融除去する加工方法・工作方法のことです。ワイヤ放電加工を行うための工作機械・加工機を、ワイヤ放電加工機といいます。
ワイヤ放電加工に用いられるワイヤ電極のワイヤには、線径が0.1〜0.3ミリ前後で、材質は真鍮や加工性を向上させるための成分を添加した黄銅合金のワイヤが使用されるのが一般的です。
ワイヤ放電加工は、高精度、微細加工、加工精度が求められる精密部品の加工に用いられる加工方法です。
倣い研削とは、各種の工作機械における工作方法用語で、研削(といし車を回転させて工作物を削ること)の一種であり、型や模型、実物などに倣って(ならって)、これと同形状に研削することです。倣い研削を行うための工作機械に、ならい研削盤があります。ならい研削盤では、といし頭が型板や実物などの形状を倣って研削します。
内面ブローチ削りとは、各種の工作機械における工作方法用語で、切削工具を用いて工作物を削り加工する場合において、刃物工具としてブローチを用いて切削する加工であるブローチ削りの一つです。内面ブローチ削りは、特に、工作物の内面をブローチで切削する加工のことです。
内面研削とは、各種の工作機械における工作方法用語で、研削(といし車を回転させて工作物を削ること)の一種であり、主として工作物の内面(穴の内面)を研削する加工のことです。工作機械のうち、主に内面研削を行うための工作機械のことを、内面研削盤といいます。
円筒研削とは、各種の工作機械における工作方法用語で、研削(といし車を回転させて工作物を削ること)の一種であり、主として円筒形工作物を回転させることにより、その外面を研削する加工のことです。工作機械のうち、主に円筒研削を行うための工作機械のことを、円筒研削盤といいます。して研削盤といいます。
平面研削とは、各種の工作機械における工作方法用語で、研削(といし車を回転させて工作物を削ること)の一種であり、主として工作物の平面を研削する加工のことです。工作機械のうち、主に平面研削を行うための工作機械のことを、平面研削盤といいます。
引きブローチ削りとは、各種の工作機械における工作方法用語で、切削工具を用いて工作物を削り加工する場合において、刃物工具としてブローチを用いて切削する加工であるブローチ削りの一つです。引きブローチ削りは、特に、工作物に対してブローチを引きながら切削する加工のことです。
形彫り放電加工とは、各種の工作機械における工作方法用語で、ある所定の形状をもった工具電極(総形電極)を用いて、加工液中に浸漬して工作物と工具電極間に放電現象を発生させることにより、金属材料工作物をその形状に溶融除去する加工方法・工作方法のことです。
形彫り放電加工の工具電極は一般的に総形電極を使用しての放電加工であるため、転写加工ということもできます。
形彫り放電加工を行うための工作機械・加工機を、形彫り放電加工機(付図48参照)といいます。
心なし研削とは、各種の工作機械における工作方法用語で、研削(といし車を回転させて工作物を削ること)の一種であり、工作物に研削を施す際に、チャックやセンタを使わずに工作物を保持して研削を行う加工のことです。工作機械のうち、主に心なし研削を行うための工作機械のことを、心なし研削盤といいます。
押しブローチ削りとは、各種の工作機械における工作方法用語で、切削工具を用いて工作物を削り加工する場合において、刃物工具としてブローチを用いて切削する加工であるブローチ削りの一つです。押しブローチ削りは、特に、工作物にブローチを押しながら切削する加工のことです。
放電加工とは、各種の工作機械における工作方法用語で、加工液中に浸漬して工作物と電極間に放電現象を発生させることにより、金属材料工作物を溶融除去する加工方法・工作方法のことです。放電加工を行うための工作機械・加工機を総称して、放電加工機といいます。
代表的な放電加工機には、工作物と総形又は棒状の工具電極との間の放電現象を利用して加工を行う形彫り放電加工機(付図48)、工作物と走行するワイヤ電極との間の放電現象を利用して加工を行うワイヤ放電加工機(付図49)、数値制御放電加工機などの放電加工機があります。
放電加工は、高精度、微細加工が可能なため、加工精度が求められる精密機器、半導体、自動車など、幅広い分野・製品の加工に用いられる加工方法です。
歯切りとは、各種の工作機械における工作方法用語で、切削工具を用いて工作物の削り加工を行う切削加工の一種であり、切削工具(歯切工具)を使用して歯車の歯形を削り出す加工方法のことです。
工作機械のうち、主に歯切りを行うための工作機械を総称して歯切り盤といいます。
使用する切削工具(歯切工具)の種類などにより、ホブ盤、歯車形削り盤、かさ歯車歯切り盤(すぐばかさ歯車歯切り盤、まがりばかさ歯車歯切り盤)、ラック歯切り盤、など、各種の歯切り盤があります。
歯車シェービング仕上げとは、各種の工作機械における工作方法用語で、シェービングカッタを使用して歯車とかみ合わせて回転させることによって、歯形(歯面)の創成仕上げ削りを行う工作方法・加工方法のことです。
工作機械のうち、主に歯車シェービング仕上げを行うための工作機械を総称して歯車シェービング盤といいます。
歯車ホーニング仕上げとは、各種の工作機械における工作方法用語で、ホーニングといし(ホーニング砥石)を使用して歯形(歯面)の創成仕上げ削りを行う工作方法・加工方法のことです。
工作機械のうち、主に歯車ホーニング仕上げを行うための工作機械を総称して歯車ホーニング盤といいます。
歯車創成とは、各種の工作機械における工作方法用語で、切削工具を用いて歯車の歯面の削り加工を行い、創成する加工方法・工作方法のことです。歯車の歯面の切削は通常、工作物と切削工具間の相対運動によって行われます。
歯車創成は、”はぐるまそうせい”と読みます。
歯車形削りとは、各種の工作機械における工作方法用語で、切削工具を往復運動させることによって歯車の削りを行う加工方法・工作方法のことです。
工作機械のうち、主に歯車形削りを行うための工作機械を総称して歯車形削り盤(ピニオンカッタ又はラックカッタを使用して創成歯切りする歯切り盤。付図35参照。)といいます。
歯車研削とは、各種の工作機械における工作方法用語で、文字通り、歯車の歯面を研削する加工方法・工作方法のことです。なお、研削とは、といし車を回転運動させて工作物を削ることをいいます。
歯車面取りとは、各種の工作機械における工作方法用語で、歯車の歯すじの面取り(工作物のかど又はすみを斜めに削ること)を行う工作方法・加工方法のことです。
工作機械のうち、主に歯車の歯の側面の面取りや丸み付けを行うための工作機械を総称して歯車面取り盤といいます(付図38参照)。
液体ホーニングとは、各種の工作機械における工作方法用語で、表面仕上げ加工の一種であり、工作物の表面のつや消しを行う表面仕上げ方法の一つです。液体ホーニングでのつや消し仕上げは、面に液体を噴射させて行いますが、液体には、細かいと粒と水との混合液が使用されます。
研削とは、各種の工作機械における工作方法用語で、切削工具を用いて工作物を削り加工する場合において、といし車を高速で回転させることにより工作物を削る加工・工作方法のことです。工作機械のうち、主に研削加工を行うための工作機械を総称して研削盤といいます。
総形研削とは、各種の工作機械における工作方法用語で、研削(といし車を回転させて工作物を削ること)の一種であり、ある所定の形状に成形した総形のといし車を用いることにより、工作物をその形状に研削することです。
荒歯切りとは、各種の工作機械における工作方法用語で、歯車の歯面を、仕上げに要する取り代を残して荒仕上げする加工方法・工作方法のことです。荒歯切りは、”あらはぎり”と読みます。
なお、切削一般においては、主として工作物の仕上げに要する取り代を残して切削することを荒削りといいます。
表面ブローチ削りとは、各種の工作機械における工作方法用語で、切削工具を用いて工作物を削り加工する場合において、刃物工具としてブローチを用いて切削する加工であるブローチ削りの一つです。表面ブローチ削りは、特に、工作物の表面をブローチで切削する加工のことです。
超仕上げとは、各種の工作機械における工作方法用語で、表面仕上げ加工の一種であり、工作物の加工面に振動を与えながら面を仕上ることです。工作機械のうち、工作物を回転させながら、粒度の細かいといしを加工面に当てて、軸方向に微小な振動を与えながら軸方向に送って工作物の表面を仕上る工作機械のことを、超仕上げ盤(JIS規格では、表面仕上機械に分類される工作機械)といいます。超仕上げは、”ちょうしあげ”と読みます。
超音波加工とは、工作機械における加工方法・工作方法用語において、超音波振動をする工具と砥粒(と粒)を使用して工作物を加工する工作方法のことです。超音波加工の具体的な方法としては、砥粒(と粒)と水との混合液(加工液)を上下方向に超音波振動する工具と工作物との間に入れて、適当な加圧力で工具を工作物に押し付けて超音波振動を発生させて、砥粒(と粒)の衝撃・衝突により加工を行う工作方法・加工方法です。砥粒のサイズを大きく(粗く)することで加工時間の短縮ができますが、得られる仕上げ面は粗くなります。
超音波加工の特徴としては、ガラス、超硬合金、陶磁器、宝石、半導体、焼結材料のような硬くて脆い硬質脆性材料の穴あけ、切断、切抜き、彫刻などの加工にむいています。
超音波加工を行うための工作機械・加工機を、超音波加工機といいます。
輪郭研削とは、各種の工作機械における工作方法用語で、研削(といし車を回転させて工作物を削ること)の一種であり、一般的には工作物をスクリーン上に投影することにより、その輪郭を所要の形状に研削する加工・工作方法のことです。工作機械のうち、輪郭研削を行うための工作機械のことを、輪郭研削盤といいます。
電子ビーム加工とは、工作機械における加工方法・工作方法用語において、電子ビームを利用して工作物を加工する工作方法のことです。電子ビーム加工の具体的な方法・原理としては、電子ビームを高速加速させて工作物に衝突させることによって、電子ビームのもつ運動エネルギーが熱エネルギーに変換されて、工作物の局部を溶融・蒸発させる加工方法です。
電子ビーム加工の主な用途としては、非鉄金属の高品位溶接、異種金属の溶接(異材溶接)、局所焼入れ、チタンの溶接、表面改質などがあります。特に、電子ビームによる電子ビーム溶接は、溶接方法手段の中で最も細いビードと深い溶け込みによる精密接合が可能な溶接方法の一つです。
電子ビーム加工を行うための工作機械・加工機を、電子ビーム加工機といいます。
電解加工とは、工作機械における加工方法・工作方法用語において、電気分解によって工作物を加工する工作方法のことです。具体的には、工作物を陽極(+)、電極を陰極(−)とする電極間に、高圧の電解液を流しながら通電することで生じる電気分解で、工作物の表面を電極形状に倣って、微量ずつ所定の形状に加工する加工方法です。電解加工は、電気分解で工作物のばり(バリ)を溶解することによるバリ取りなどにも用いられる加工方法です。
電解加工を行うための工作機械・加工機を、電解加工機といいます。
電解研削とは、工作機械における加工方法・工作方法用語において、研削(といし車を回転運動させて工作物を削ること)と電解加工(電気分解によって工作物を加工する方法)とを併用して加工する工作方法のことです。電解研削は、機械的に研削をおこなうための砥石車(といし車)に、導電性のある砥石車(といし車)を用いることにより、金属イオンの電気化学的溶解を発生させて研削を行います。具体的には、工作物を陽極(+)、ダイヤモンド砥石(といし)などの工具を陰極(−)とする電極間に電解液を流しながら通電しすることにより、電気分解で陽極(工作物)の表面に電解の進行を妨げる障害物が生成されますが、これを導電性のあるといし車による機械的研削で除去する加工方法です。
電解研削を行うための工作機械・加工機(研削盤)を、電解研削盤といいます。